皆さんは「営業」と聞いて、どのようなイメージを持つでしょうか。人によっては「売り込まれる」「しつこい」といったネガティブな印象を持つ方もいれば、「課題を解決してくれる頼れる存在」と捉える方もいると思います。
営業には大きく分けて「有形商材」と「無形商材」があります。有形商材は車や製品のように実際に形があるものを扱う営業です。一方で無形商材は、コンサルティングやシステム、サービスなど形として存在しないものを扱います。
今回お話しするのは、特に難易度が高いと言われる「無形商材の営業」において、出来る営業と出来ない営業の違いについてです。それでは早速見ていきましょう。
人の話を聞けない
これは営業において非常によく見られる典型的な失敗です。特に新人に多い傾向ですが、実は経験年数が長くても改善されていないケースも少なくありません。
出来ない営業の特徴は、「自分が話すこと」に意識が向きすぎている点です。事前に準備した資料や説明を“全て伝えなければいけない”という思いから、一方的に話し続けてしまいます。その結果、お客様が本当に抱えている課題やニーズを深く理解する前に商談が終わってしまいます。
このような状態では、お客様側は「結局何の話だったのか分からない」「自分たちのことを理解してくれていない」と感じてしまい、信頼関係の構築にはつながりません。
一方で、出来る営業は真逆のスタンスを取ります。自分が話す時間は最小限に抑え、徹底的に「相手に話してもらう」ことに集中します。質問を通じて相手の課題を引き出し、時には一緒に整理しながら会話を進めていきます。
また、資料についても必要最低限の説明に留め、「興味があれば後で見てください」といったスタンスを取ることが多いです。無理に全てを見せようとはしません。なぜなら、重要なのは資料の説明ではなく、「相手の課題をどれだけ深く理解できるか」だからです。
結果として、お客様は「この人は自分たちのことを理解しようとしてくれている」と感じ、次の提案にも期待を持ってもらえるようになります。
出来る事を限定してしまう
出来ない営業は、自社が提供できるサービスの範囲をそのまま伝えることに終始してしまいます。「これは出来ます」「それは出来ません」と、用意されたメニューの中でしか話を進めません。
もちろん、出来ないことを無理に出来ると言うのは問題ですが、最初から枠を決めてしまうことで、お客様にとって最適な解決策を一緒に考える姿勢が欠けてしまいます。その結果、「この会社は柔軟性がない」「自分たちには合わない」と判断されてしまう可能性が高くなります。
一方で、出来る営業は少し視点が違います。自社サービスの説明はあくまで手段の一つとして捉え、「どうすれば相手の課題を解決できるか」という視点で会話を進めます。
たとえ現状のサービスだけでは完全な解決に至らなくても、組み合わせや運用方法の工夫、将来的な拡張の可能性など、柔軟に考えようとします。この姿勢があることで、お客様からは「この人は自分たちのために考えてくれている」と感じてもらえます。
営業において重要なのは、「何が売れるか」ではなく、「どうすれば相手の問題が解決するか」です。この視点の違いが、大きな差を生みます。
自分の会社が主体になっている
上記2つにも共通しますが、出来ない営業は会話の中心が常に「自社」になっています。「自分たちはこういうことが出来る」「これが強みです」といった話が中心になり、気づけば自社の説明ばかりになってしまいます。
一見すると相手のために話しているように見えても、実際には「自社の売りたいもの」を押し付けている状態になりがちです。
対して出来る営業は、徹底的に「相手主体」で考えます。自社サービスはあくまで手段であり、主役は常にお客様です。「相手の会社にとって何が最善か」「どのようにすれば価値を提供できるか」を軸に会話を組み立てます。
もちろん、出来ないことを無理に引き受けることはありません。しかし、「ではどの部分なら貢献できるか」「どう工夫すれば課題解決に近づくか」といった前向きな視点で提案を行います。
この違いは非常に大きく、結果として信頼関係や継続的な取引に直結していきます。
まとめ
ここまで見てきた通り、出来ない営業はテンプレートに沿った受け身の対応になりがちで、「今あるもの」「過去にやってきたこと」の範囲でしか動きません。
一方で出来る営業は、「これからどうすればお互いにとって価値のある関係を築けるか」という未来志向で動きます。過去や現状に縛られず、相手の課題に対して主体的に考え、行動します。
つまり、シンプルに言えば「受け身か、能動的か」の違いです。
営業において絶対的な正解はありません。しかし、少なくとも言えるのは、固定観念に縛られず、相手の話をしっかり聞き、自分の頭で考えて動く人ほど成果を出しやすいということです。
もし次に営業の機会があるのであれば、ぜひ今回の3つのポイントを意識してみてください。それだけでも、相手からの見え方や商談の質は大きく変わるはずです。


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