フィードバックを送る際に気をつける事2選

管理

近年の職場では、「セクハラ」「パワハラ」といった言葉を耳にする機会が非常に増えました。働く人の権利意識が高まり、職場環境の健全さが強く求められるようになったことは、とても良い流れだと言えるでしょう。一方で、管理職や指導する立場の人にとっては、「どこまで言っていいのか」「指導したらパワハラと思われないか」と悩む場面が増えているのも事実です。

実際、指導する側としては「仕事のために必要なことを言っただけ」のつもりでも、受け取る側が「パワハラだ」と感じてしまえば、問題として扱われる可能性があります。その結果、必要な指導ができなくなったり、過度に気を遣いすぎてしまい、精神的に疲れてしまう管理職の方も少なくありません。

私自身も、部下への対応に悩み、「何も言えなくなってしまった」という管理職の方を何人も見てきました。しかし、だからといって指導をしないわけにはいきません。組織として成果を出すためには、適切なフィードバックは不可欠だからです。

では、パワハラと捉えられないようにしながら、しっかりと部下にフィードバックを行うにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、特に大切なポイントを2つ紹介します。

聞きに徹した後に話す

フィードバックをする際、多くの人が最初にやってしまいがちなのが、「いきなり指摘する」という行動です。

「なぜこんなミスをしたのか」
「どうして言った通りにやらなかったのか」

このような疑問や苛立ちは、管理職であれば誰でも感じるものです。自分では考えられないようなミスを部下がしてしまうこともありますし、「ちゃんと説明したのに」と思うこともあるでしょう。

しかし、その感情のまま言葉にしてしまうと、相手には威圧的に聞こえてしまうことがあります。特に、最初の言葉が強いと、部下は防御的になり、本音を話してくれなくなってしまいます。

そこで大切なのが、まず聞くことに徹するという姿勢です。

ミスや問題が起きたときは、すぐに指摘するのではなく、まずは「どういう状況だったのか」「なぜその判断をしたのか」を聞いてみましょう。本人なりの理由や事情がある場合も多いものです。

例えば、

「今回の件、どういう考えでその方法を選んだの?」
「何か困っていたことはあった?」

このように落ち着いて質問することで、相手も話しやすくなります。

部下の話を最後まで聞いたうえで、その内容を踏まえて「自分としてはどうしてほしかったのか」を伝えるようにしましょう。

また、もし部下が主体的に動いてくれていたのであれば、結果が良くなかったとしても、まずはその行動に対して感謝を伝えることも大切です。

例えば、

「まず動いてくれたのはすごく助かった。ありがとう。その上で、今回はこうしてくれるともっと良かった。」

このように伝えるだけでも、相手の受け取り方は大きく変わります。最初に否定から入るのではなく、理解しようとする姿勢を見せることが、良いフィードバックの第一歩になります。

「伝える」ではなく「伝わる」言い方をする

もう一つ重要なのは、「伝える」ことではなく「伝わる」ことを意識するという点です。

多くの管理職の方は、「ちゃんと説明した」「言ったはずだ」と感じることがあります。しかし、それでも部下が同じミスを繰り返したり、期待通りに動いてくれないこともあるでしょう。

このとき、「言ったのにやらないのは部下の問題だ」と考えてしまうのは危険です。なぜなら、伝えたことと、相手に伝わったことは別だからです。

フィードバックをする際は、単に指示や指摘をするだけではなく、「なぜそれが必要なのか」という理由も合わせて説明するようにしましょう。人は理由が理解できると、納得して行動しやすくなります。

例えば、

「この手順でやってほしい」
ではなく、
「この手順でやるとミスが減るし、後工程の人も助かる」

といった形で理由を加えるだけでも、理解度は大きく変わります。

また、人によって理解しやすい説明の仕方も違います。難しい言葉を使うよりも、できるだけシンプルな表現にしたり、相手が興味を持っているものに例えて説明したりするのも効果的です。

例えばスポーツが好きな部下であれば、チームプレーに例える。ゲームが好きなら、役割分担に例える。こうした工夫によって、相手はイメージしやすくなります。

部下が成果を出せないとき、それは必ずしも部下だけの責任とは限りません。部下が動きやすい環境を作ることも、管理職の大切な役割です。そのためにも、「どう伝えれば理解してもらえるか」を常に考えることが重要です。

まとめ

フィードバックをする際に最も避けるべきなのは、相手の話を聞く前に一方的に指摘してしまうこと、そして「言ったのに理解していないのは相手のせいだ」と決めつけてしまうことです。

まずは相手の言い分をしっかり聞き、その背景や理由を理解すること。そして、そのうえで「どうしてほしいのか」を相手に伝わる形で説明することが大切です。

部下のミスは、見方を変えれば上司である管理者の責任でもあります。だからこそ、部下が動きやすく、理解しやすい形でフィードバックを行うことが重要です。

管理職の役割は、単に指示を出すことではありません。人が成長できる環境を作ることです。相手を尊重しながら伝え方を工夫することで、パワハラと誤解されることなく、建設的なフィードバックができるようになるでしょう。

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